ちょっと違うよ!「正直不動産」から学ぶリバースモーゲージ

今回もまたドラマ絡みで失礼します。NHKで放送されている「正直不動産」。第一話から欠かさず見ています。

以前は嘘ばっかり、うまい話しばかりして成約をしてきたやり手の不動産営業マン(山下智久さん)が、ある時、正直なことしか言えなくなってしまい、売るには不都合なことでも、お客様にとってリスクがあることであれば正直に話すようになった、というお話です。

数々の専門用語が出てくるのですが、それが何のことなのかの説明もちゃんとあって、ツウな人もそうでない人もちょっと勉強しながら、楽しめるドラマです。

前回は、ドラマの中でリバースモーゲージが話題になっていました。メジャーな商品ではないので、初耳という方も多いと思いますが、人生100年時代、セカンドライフの資金作りという点で、大いに選択肢の一つになるものだと考えています。

なので、ドラマで取り上げられて、

「そんな商品があるのか」

と思ってくださったかたが増えたのなら、いいことです!!ただ、私が抱いている印象とはちょっと違う形で説明されていたのが気になり、ここで取り上げさせていただきます。

リバースモーゲジとは、自宅を担保にお金を借りて、通常、契約者(借主)及びその配偶者が亡くなった時点で契約が終了し、借入れしていたお金を返す(相続人が)か、自宅を金融機関が引き取ることによって返済となります。

通常の住宅ローンは、自宅を担保にまとまったお金を借りて、それを少しずつ返済していきます。一方のリバースモーゲージは、自宅を担保に少しずつお金を借りて、最後にまとめて返します。

そのため、

「逆(リバース)」「住宅ローン(モーゲージ)」

といわれるのです。

リバースモーゲージのメリットは、自宅を売らずに(継続して住みながら)生活費などに充てることができる資金を手にできることです。

通常、金利のみの返済ですので、比較的返済も楽です。デメリットは、金利が上昇すれば返済額が高くなる、担保にしている不動産の価値が下がった場合はすぐに返済しなくてはならないかもしれない、などです。

ただし、最近では、この不動産の価値の下落については返済を迫られないような商品も出ています。ドラマの中では、長生きすると生きているうちに全額返済しなくてはならないこともある、というような説明でしたが、ほとんどのリバースモーゲージは本人と配偶者が存命中は引き続き住まうことができます。

この点は、デメリットとして、ちょっと大袈裟に表現されてましたね。リバースモーゲージの大きなデメリットは、相続できなくなるということです。子どもなどに、自宅を残してあげたいと考えている場合には利用できません。

また、ドラマの中では、

・住宅ローンは残高が減っていく

・リバースモーゲージは借金が膨らんでいく

というような表現でしたが、これも私はしっくりきませんでした。仕事をして収入を得ている時に作った資産を、老後に少しずつ切り崩していく、と考えることもできますよね?

ドラマの中の説明は決して間違っていません!でも、捉え方、伝え方でだいぶ印象が変わってしまうのだなと感じました。

リバースモーゲージは、リスクをちゃんと理解すれば、老後の生活にとても役立つツールの一つです。

「怖いもの」ではなく「助けになるかもしれないもの」と覚えておいてくださったら嬉しいです。否定的なことを書いてしまいましたが、ドラまの正直不動産、面白いです!放送は残り少ないですが、ご興味がありましたらぜひ、ご覧ください!

山P、かっこいいです(笑)。

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