いつもお読みくださり、誠にありがとうございます。金融デザイン株式会社の高田です。
60歳、といえば、一昔前は、定年退職の年齢でしたが、最近は雇用延長などで、60代でも働くことは珍しくありません。就業率を見てみると、
60〜64歳
男性 83.9%
女性 62.7%
65〜69歳
男性 61.0%
女性 41.3%
総務省「労働力調査」(令和4年)と、多くの方が働き続けていることがわかります。
60歳以降も働くと、年金にはどのような影響があるのでしょうか?会社員であれば、厚生年金に加入します。会社員として働き続けていれば、原則70歳までは加入することになります。そして、60歳以降、厚生年金に加入していれば、その分、もらえる年金額も増えるので、保険料の払い損ということはありません。
例えば、年収300万円で1年間働くと年金額(1年)は約1.6万円増えます。3年働けば約4.9万円増えます。年金額だと小さいですが、増えた金額を終身でもらえるので、20年間の累計額にすれば、まあまあ大きな金額になります。
それから、年金に加入したのは大学卒業後で、学生時代は年金保険料を支払っていなかったため、60歳になっても老齢基礎年金の満額がもらえる480ヶ月には届かない、という方が多いのではないかと思います。自営業だと、「任意加入」という制度があり、480ヶ月までは保険料を納めることで、老齢基礎年金の金額をふやすことができますが、会社員の場合には任意加入はできません。
でも、厚生年金に加入していれば、任意加入と同様の効果があり、それは「経過的加算額」という名称で支給されますので、ご安心を。
あと、もう一つ。iDeCoは、65歳まで加入することができますが、国民年金被保険者であることが要件になっています。なので、自営業の方であれば任意加入している間のみですが、会社員であれば、65歳までiDeCoも続けることができるのです。
こうして60歳以降働くことによる年金への影響を見てみると、会社員で厚生年金に入っている方は、メリットばかりですね。残念ながら、これが自営業になると、もらえる年金については、あまりメリットはないのです。
年金だけのことを考えれば、会社員として働き続けられるといいですね。ただ、もらえる年金額を増やすよりも稼ぐ金額を増やせば自営業でも問題ないですし、何よりも自分がやりたいことや合っていることをイキイキとすることの方が重要です。
年金への影響は頭に入れつつも、ご自身にとっていい道を選んでください。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。