2026年に変わる「シニアの収入の壁」

いつもお読みくださり、誠にありがとうございます。金融デザイン株式会社の高田です。

先日、昔、私が働いていた会社の上司だった方とお会いしました。その方は、現在70歳。まだ、現役バリバリで2つの企業の役員をしていらっしゃいます。

年金の話になったところ、「年金は止められてるから」とポツリとおっしゃいました。収入の壁が話題になっていますが、いわば、これは「シニアの収入の壁」です。

なぜ、年金が止められているかというと「在職老齢年金制度」というものが理由です。働きながら老齢厚生年金を受け取る場合、お給料と年金の合計が一定額を超えると、厚生年金の一部または全額が支給停止になるという制度です。

ここで大事なのは、減額されたり、止まったりするのは、厚生年金部分だけで「老齢基礎年金」はいくら収入があっても減額されません。

では、厚生年金の部分がどのくらい減額されるかというと、

【基本月額(年金月額)+総報酬月額相当額】

が51万円を超えると、超えた分の半分が支給停止額になります。総報酬月額相当額というのは、月給(標準報酬月額)に、直近1年間の賞与(標準賞与額)を12で割った額を足した額です。

例:年金月額17万円、総報酬月額相当額36万円

支給停止額

=(17万円+36万円ー51万円)×1/2

=(53万円ー51万円)×1/2

=1万円

そして、この基準額が、2026年4月から65万円に引き上げられます。上記の例では、支給停止額はなくなり全額支給されることになります。

2023年度に内閣府がおこなった調査によると、年金を受け取る年齢になった時、60代後半の3割以上が「年金が減らないように時間を調整して働く」と答えていたそうです。ですので、今回の改正は、「もっと働きたい」という人が働きやすくなるものですね。

なお、支給停止された部分の年金はあとから戻るわけではありません。ですから、「壁を超えたら損」と考える人もいれば「手取りが多い方がいい」「やりがいがある仕事を続けられる方がいい」と考える方もいるでしょう。

もらえる金額の多少だけで比較できるものでもないですね。そして、もう一つ知っておくと良いのは、この壁は会社員ならではの壁だということ。自営業等、給与以外の収入の場合には在職老齢年金制度は該当しません。

働き方次第では、めいっぱい稼いで、年金も満額もらうという方法もあるのです。これからの時代、シニアの働き方はますます多様になっていくでしょう。

60代以降の働き方を考える上で、「在職老齢年金制度」は知っておいていただくといいと思います。もしかすると、将来この基準額がさらに上がるかもしれませんね。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

セカンドライフの最新記事4件