日本銀行の金融広報中央委員会で年 1 回実施している「家計の金融行動に関する世論調査」というものがあります。
2021年の調査結果が発表されたので、その中から興味深い結果をご紹介します。
まずはどのくらいの金融資産を持っているのか? 個々人によって事情が違うので、平均額より多い少ないで悲観したり喜んだりはしないでください(笑)
2021年の平均額は1,563万円。(え!平均が!?と驚いた方は、どうぞ最後までお読みください)この平均額、2019年には1,139万円だったものが、2020年は1,436万円になり、2021年はさらに増えました。
増えた理由は「株式・債券価格の上昇により評価額が増加したから」が34%でトップで、前年よりも大きく伸びていました。さらに、この業界で長いこと仕事をしている私が一番驚いた結果が、「金融商品を選択する際に重視すること」です。
昨年までは「安全性」がぶっちぎりの第一位だったわけですが、2021年の第一位はなんと「収益性」。昨年の22%から34.9%に。金融資産の伸びの内訳を見ても、増えているのは有価証券なので、株式や投資信託をしていた人は増えた、ということなのでしょう。これだけ結果が顕著に出れば、多くの人が「収益性」に注目するのも納得しますね。
もう少し詳しく見てみると、保有している金融商品が、昨年からどのように変わったかというと、
株式 25.5%→36.1%
投資信託 17.4%→27.3%
とやはり収益性のものが増えています。
一方で、
積立型保険商品 57.3%→38.9%
個人年金保険 28.9%→25.3%
財形貯蓄 13.1%→10.1%
というように、従来の王道のつみたて商品の割合が減っています。つみたてで何を使うか、の常識も、しかしたら変わっていくのかもしれません。貯蓄から投資へ、がいよいよ本番になってきた感じがします。収益性のものは、当然ながらリスクがあります。
でも、自分で意思を持って選べば納得できますし、リスクを軽減する方法もあわせてできたらいいですね。
最後になりましたが、金融資産の保有額は平均は1,563万円ですが、中央値は450万円です。中央値というのは、金額の順番に並べた時に真ん中にくる金額です。そのくらいの金融資産の人が多い、というこ
とです。
今回も最後までお読みいただき、ありがとうございました。