いざという時に困らない「お金の置き場所」

いつもお読みいただき、ありがとうございます。金融デザイン株式会社の高田です。

防災月間第3弾として、今回は災害時のことも考えた「お金の備え方」についてをテーマにしたいと思います。

災害時のことを考えると、次のようにお金を3つに分けて管理する視点を持っておくと安心です。

1.すぐに使える現金

家や非常袋に、家族人数×数日分の生活費+小銭を用意しておきましょう。公衆電話や自販機などで小銭は欠かせませんし、停電などが続けば、お店で電子マネーも使えなくなります。千円札や硬貨を混ぜて準備しておきましょう。

ただし、泥棒や火事、家屋倒壊のリスクを考えると大金を置くのは現実的ではありません。数日分にとどめ、保管場所を分散させておくとより安心です。

2.銀行口座

普段から生活費の6ヶ月分程度を緊急予備資金として預貯金に備えておくのが理想です。そのうち1ヶ月分程度は普通預金口座に置き、必要なときにすぐ使えるようにしておきましょう。災害直後はATMやネットバンキングが止まる可能性があります。過去の大規模災害では、銀行窓口で「特例払い戻し」が認められました。通帳やキャッシュカードがなくても、本人確認ができれば1日あたり数万円を引き出せました。

以前のメルマガでもお伝えしましたが、口座とマイナンバーを紐づけておくと手続きがスムーズになります。ただし、窓口の再開まで時間がかかる場合もありますので、手元現金でつなぎ、復旧後に口座から下ろすのが現実的な流れです。

3. 証券会社などの運用資産

株式や投資信託などの資産は、災害直後にすぐ現金化するのは難しいでしょう。証券会社もシステム障害や営業時間短縮の可能性があるため、非常時の資金源としては期待できません。だからこそ、運用資産はあくまで「長期で持つ」ものと考えるのが基本です。日常の安心は現金と預貯金で確保し、運用は将来のためにと役割を切り分けることで、不測の事態にも慌てずに済みます。

さて、もう一つご提案です。最近はキャッシュレス派が増えていますが、非常時を考えると少額の現金を持ち歩く習慣は必要です。普段から現金を使っている、という方も、たまたま使ってしまったということもあるでしょう。

ですので、普段使うお金とは別に「非常時用のお守り現金」を持っておくと、いざというときに安心です。

例えば、

・スマホケースに千円札を入れる

・キーホルダー型のカプセルにお札を丸めて入れる

・携帯用コインホルダーを活用する

などで、普段は使わないけれど、必ず持ち歩く工夫をしてみてください。ぜひこの機会に、

・すぐに使える手元の現金

・銀行の預貯金

・長期の運用資産

に分けて、お金の管理を考えてみてくださいね。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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