高額療養費、ここ勘違いしていませんか?

いつもお読みくださり、誠にありがとうございます。金融デザイン株式会社の高田です。

高額療養費の引き上げが話題になっていますね。2025年8月からという案で、なかなかシビアな見直しだと思います。

高額療養費制度というのは、1ヶ月の医療費自己負担額が一定額を超えた場合に、超えた分は高額療養費として、支給されるというものです。以前は、上限額を超えたら、申請することでお金が戻ってきたのですが、今はそもそも超えた分は支払わなくてすむようになっています。

さて、その上限額(1ヶ月)というのは、年収によって決まっていて、70歳以下の方の場合は、

年収約370万円から約770万円の方

・・・約8万円

年収約770万円から約1,160万円の方

・・・約17万円

です。

改訂案は、年収の区切りがもう少し細分化され、例えば、年収370 万円の人の上限額は8.8万円、510万円の人の上限額は11.3万円などとなっています。数字で例を見てみると、肺炎で入院した場合、治療費は約80万円かかるそうです。3割負担の人だと自己負担は24万円。でも、ここで高額療養費の制度が使えて、現状なら年収510万円の人は約8万円の自己負担ですむのです。

本当にありがたい制度なんですが、この自己負担額が、年収510万円の人は11万円になってしまう、ということですね。まだ最終決定されていませんが、今後の動きをウォッチしてください。

さて、この高額療養費を知っている方でも、ざっくり「1ヶ月の医療費の自己負担は8万円くらい」と覚えていらっしゃるかもしれませんが、ちょっとした勘違いもあるので、ご紹介しておきます。

・対象になるのは健康保険の対象のもののみ

食事代や差額ベッド代などは高額療養費の対象にはなりません。

・病院ごとの自己負担が2.1万円以上のものを合算できる

例えば、5つの病院に通っていて、それぞれ2万円ずつかかり、10万円を支払ったとしても、対象になりません。

・暦の上での1ヶ月ごと

金額の対象は同じ月内のものになりますので、例えば、2月25日から3月5日の入院で10万円かかったとします。2月分が5万円、3月分が5万円だとすると、上限額が8万円の人の場合には、高額療養費の対象になりません。もし手術や入院などがある場合には、事前の検査も含めて、できれば全部同じ月内におさめるのが一番効率的。なかなか自分ではコントロールできな意かもしれませんが、このようなことも知っておくといざという時には役立つと思います。

それから、健康保険組合の場合には、上限額がもっと低い場合もあるので、確認してみてください。健康保険は本当にありがたい制度ですが、病気にはならないのが一番。予防や健康維持にかかるお金は、基本全額自己負担ですが、それでも、病気にお金をかけるよりも、健康にお金をかけていきたいですね。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。