いつもお読みくださり、誠にありがとうございます。金融デザイン株式会社の高田です。
ここ数日、年金の話題が報道されていますね。年金の改正案がようやく国会に提出されたけれども、肝心の(?)基礎年金の底上げが削除されているということが議論になっていました。
このままだと、就職氷河期に社会人になった人たちが、将来受け取る年金額の水準が低くなってしまうということで、「基礎年金」部分を引き上げようという動きがあったのです。
しかし、SNSなどで批判があった、国民の理解が得られていない、などからこの項目は削除され、「また5年後に議論しましょう」となっています。年金って、大きな見直しがされるのが5年に一度なんです。
50代、60代世代からすると、5年後に議論して、その数年後から底上げされるなんて、気が遠くなる話しと感じてしまいますね。
で、そもそも、なんでSNSで批判があったかというと、勘違いされていたり、ちゃんと理解されていなかったりということも理由になっているようです。
そこで、今回は「基礎年金」について少し解説したいと思います。
国民年金と厚生年金はよく聞きますね。
自営業の方は国民年金、会社員や公務員の方は厚生年金に加入しているはずです。基礎年金は国民年金の部分のことを指します。なので、将来もらえるのは、
自営業:国民年金=基礎年金
会社員:厚生年金=基礎年金+厚生年金
専業主婦:第3号として加入=基礎年金
となります。
つまり、どの年金制度に加入しているかにかかわらず、全員がもらえるのが基礎年金で、土台のようなものです。SNS等で言われていた勘違いは、厚生年金と国民年金は別物だと思い、会社員の保険料が自営業者が受け取る年金に使われるのは納得できない、というようなものだったようですが、基礎年金は全員に共通のものです。
ですから、厚生年金加入者の方も基礎年金が引き上げられれば、もらえる年金額の総額は増えるという試算のようですが、バランス調整のため、上乗せの厚生年金部分は一時的に下がるということもあり、それを説得できるほどの時間はなかったようです。
ということで、まずは、基礎年金は全員がもらえる「土台部分」ということを知っておいてくださいね。そして、基礎年金は、私たちが納めている保険料、企業が負担してくれる保険料以外に、国も負担しています。
この負担割合は1/2です。
令和7年の予算では13.7兆円!!!これが、税金や国債から賄われています。基礎年金部分が底上げされるのは嬉しいことですが、その分、使われる国庫金も増えるという一面もあるのです。
今回はお勉強的になってしまいましたが、「基礎年金」という言葉を正確に知っていただくことで、ニュースも理解しやすくなると思います。年金はとても複雑ですが、自分たちにも深く関係していることなので、これからも興味を持って情報収集してくださいね!
最後までお読みいただき、ありがとうございました。