エンゲル係数から考える、暮らしの豊かさ

いつもお読みくださり、誠にありがとうございます。金融デザイン株式会社の高田です。

スーパーで買い物すると、毎回、「ずいぶん高くなったな」と思います。特に食料品の値上げは痛いですね。外食も、ほんとうに高くなりました。

「エンゲル係数」という言葉を聞いたことがある方は多いと思います。今日はエンゲル係数をきっかけに、豊かさについて考えてみたいと思います。

「エンゲル係数が高い」というと、食費に使うお金が多いと捉えがちですがそれだけでなく、実は生活の豊かさを示す指数といわれています。消費支出に占める食費の割合(エンゲル係数)は、所得水準が高いほど低下する傾向にあるのだそうです。

ということを19世紀ドイツの社会統計学者であるエルンスト・エンゲルが発表し「エンゲルの法則」と呼ばれています。

エンゲル係数が高い=食費をたくさん

使えるから豊か、ではないんですね。食費は必要な支出です。この割合が少なければ、結果として、教育や娯楽、貯蓄などに回せる余地がある、つまり、エンゲル係数が低い方が豊かである、と考えられるのです。

同じような考え方に、総務省統計局の家計調査の中に「基礎的支出」と「選択的支出」という分け方があります。基礎的支出は、食料、光熱費、保健医療サービス、家賃など、価格が上がっても、生活には必要なため、消費を減らしにくい支出です。

選択的支出は、旅行やパソコン購入、食費の中でもワイン!など、嗜好的な支出で、余裕や好みによって、増減しやすい支出です。この基礎的支出の割合も、収入が高くなるにつれて低くなる傾向があります。エンゲル係数も、基礎的支出も、収入が高くなるほど、その割合は低くなるということです。

つまり、収入が高いほど、自由に選んで使えるお金がふえる、ということなんですね。そして、生活は豊かになるということです。

エンゲル係数も、基礎的支出も、シニア層の統計を見ると、若年層よりも、高くなる傾向が見られます。収入が年金収入中心になるので、仕方ないことではありますが。でも、50代、60代以降だからこそ、豊かに暮らしたいですね。

エンゲル係数が上がっている気がするので、即食費を削る!ではなく、家計の収支全体を見直してみましょう。不要なサブスクは解約したり、電気やガスは同じ使い方でも安くなる会社に契約を変えたり、保険の内容を見直したりなど、固定的にでていくものを削減できれば、効果的です。

そして、若い頃のようにガンガン働いて収入を伸ばすのは難しくはなりますが、だからこそ、好きなことや誰かの役にたつことで、ちょっとした収入につながる形が見つけられるといいですね。

エンゲル係数も基礎的支出・選択的支出という分け方も、生活に必要なお金の割合を示すものです。そして、生活に必要なお金の割合が低いほど、自由に選んで使えるお金が増える、という考え方です。

私は、この「自由に使い方を選べるお金」が多いほど、人は豊かさを感じられるのではないかと思います。旅行に行く、趣味を楽しむ、学びに使う、誰かにプレゼントする、貯蓄する。何に使うかは人それぞれですが、「選べる」ということ自体が、豊かさなのかもしれません。

物価が上がり、年齢とともに削りにくい支出も増えていきますが、だからこそ、生活費全体を整えることは大切です。そして、無理のない範囲で、収入につながることを持っておくのも豊かさにつながるでしょう。

家計を整えて、自由に選べるゆとりを増やしていきましょう。