先日、給与をPayPay、d払い、楽天ペイなどのキャッシュレス決済口座に振り込んでもらうことができるようになる?(デジタル給与) というニュースが報道されました。
これは、なかなか画期的なことで、なぜ画期的なのか、高田の私感になりますが、お話ししたいと思います。
まず、給与って、原則「現金払い」ということをご存知ですか?今どき、現金手渡しでもらっている人の方が少ないと思いますが、労働基準法の中に、給与についての決まりがあります。
賃金支払いの5原則というもので、
1.現物給与の禁止
2.直接払いの原則
3.全額払いの原則
4.毎月1回以上の原則
5.一定期日払いの原則
という決まりがあります。
1.の現物給与の禁止は、例え高価なものであっても現物はダメで、給与は通貨で支払われなくてはならない、となっています。この「通貨」というのは、現金のことを指すのですが、銀行か証券の口座であれば振り込みも可能、としています。
キャッシュレス決済口座に給与を振り込んでもらうためには、まずはこの法律の改正が必要ということになります。さらに、銀行口座なら、万一、銀行が破綻しても、預金保険制度で、普通預金などは1,000万円まで保証されています。
キャッシュレス決済は、業者が倒産したりした場合、残高を100%保護してくれる体制にはなっていません。ですが、100万円までは全額保証する見通しということで、どのような保証体制になるのかも注目です。
話しは変わりますが、銀行の三大業務って知ってますか?
・預金
・貸出
・為替
なんです。
みなさんが預けたお金を元手に企業などへ貸付ける、為替は送金のことです。あれ?給与が銀行ではなく、キャッシュレス口座に振り込まれるようになれば、預金は少なくなり、そうすると、貸出せるお金も少なくなってしまいますね。
最近では、銀行口座から送金するよりも、PayPayなどで送金することが多くなってきた、という方も少なくないと思います。
つまり、銀行の三大業務といわれてきたものが、さほどメインではなくなる、なんていう時代が来るのかもしれません。
デジタル給与ができるようになっても、しばらくは現在と変わらず、銀行口座に振り込んでもらう人が多いでしょうが、時代は少しずつ変わっていくのかも、というお話でした。